【1巻レビュー】本編同様熱いシーンが豊富!漫画「ありふれた職業で世界最強 零」の魅力をネタバレ込みで徹底解説!

「ありふれた職業で世界最強 零」は、本編よりはるか昔を舞台にした作品です。本編を知っている方だけではなく、予備知識がない方でも楽しめる内容となっている事や本編同様熱いシーンが豊富に用意されている事で注目を集めています。今回は、「ありふれた職業で世界最強 零」の魅力を紹介します。

ありふれた職業で世界最強 零 1 (ガルドコミックス)

本編では白骨化して登場した錬成師を物語の主人公としている


「ありふれた職業で世界最強 零」は、負け犬と呼ばれている錬成師「オスカー・オルクス」が主人公となっています。本編よりはるか昔が舞台となっているので本編に登場するキャラクターとの絡みはありませんが、本編では大迷宮の最深部にあった隠れ家で白骨化として登場しています。錬成師がなぜ大迷宮に隠れ家を作り、なぜそこで死を迎えたのかという点に注目が集まっています。

物語冒頭では、ライセン大迷宮に本編の主人公たちが侵入してきたシーンからスタートします。侵入者を映像越しで眺める女性が涙を流しながら「止まっていた時間が動き出した事」を喜んでいます。その際に「千年?二千年?わからないや」と時間の経過が明言されていない事から今後「伏線」として回収される事が期待されています。

主人公のオスカーは、普段負け犬と蔑まれていますが実際は一般的な職人よりも高い腕前を持っています。孤児院にいたオスカーを引き取ったオルクス工房の棟梁からは「見栄を張っても足元に及ばない別次元の腕前」と評価され、次代の「オルクス」を襲名して欲しいと言われています。しかし、オスカー自身は自分の腕の良さを「異常」だと思い忌み嫌っている姿が描かれています。「何故異常だと思うのか」といった点も明かされていないので注意しながら読むとさらに楽しめます。

他の異世界系漫画の主人公のように複数のスキルや異常な身体能力を持っていないといった主人公っぽくない設定も「ありふれた職業で世界最強 零」が話題を集めている理由の1つです。「錬成師」のスキルのみを駆使してトラブルや敵にどう立ち向かっていくのかという点も見どころです。第1話では、自分が育った孤児院に「警報」や「トラップ」を仕掛けたり、建物の強度・劣化や結界・連動、魔力収束の以上の有無等を確認している姿が確認出来ます。基本的には、大人しい好青年として振る舞っているオスカーですが、孤児院にトラブルが起きた際は焦ったり、ミレディとの絡みでブラックな部分を出したりと普段とのギャップも楽しめるキャラクターとなっています。

お色気シーン満載!単なるスピンオフではなく単体として完成度も高い作品!

魅力的な女性キャラクターが数多く登場し、様々なタイプから自分好みのキャラクターが簡単に見付けられる事も魅力の1つです。第1話冒頭の本編時間軸では影のあるシリアスな雰囲気を纏っていた「ミレディ・ライセン」ですが、「ありふれた職業で世界最強 零」の時間軸では「ウザいキャラ」としてメインヒロインを担当しています。金髪のポニーテールに加えて抜群のスタイルの美少女ですが、オスカーから冷たく接しられたりギャグパートではオチ要員として扱われたりしています。ミレディ以外にも、「ナイズ・グリューエン」や「メイル・メルジーネ」等、見た目も性格も全く違うキャラクターが存在します。

基本的には、ギャグ要員のミレディですが魂魄魔法によってゴーレムに魂を移して数千年以上経った本編で再登場しています。ウザさや可愛さが全面に押し出されていますが、神に叛逆する「開放者」のリーダーや七大迷宮の創作者として活躍したりと重要な役割も務めています。「ありふれた職業で世界最強 零」だけではなく、本編でもある種のキーパーソンとなっているのでミレディのちょっとした言動も忘れずチェックする事をおすすめします。


「ありふれた職業で世界最強 零」は、コミック冒頭のイラストとしてちょっとしたお色気ポーズやシーンが掲載されている程度と、あからさまエロ描写が少ない事から女性の読者も多くいます。エッチなデザインの衣装を女性キャラクター着せる異世界系漫画も多いですが、「ありふれた職業で世界最強 零」では、女性読者が「着てみたい」と思う可愛らしい衣装が豊富に登場しています。女性ウケの良いキュートさやセクシーさを意識した衣装にも注目してください。


スピンオフ作品・外伝としての評価ではなく「1つの漫画」として高い評価を得ているのも特徴として挙げられます。本編と世界観は共有していますが、本編の主人公たちとは違う目的のために行動し、成長する姿を読みながら楽しめます。難しい表現や回りくどい説明が少ないので異世界系ファンタジー作品を読み慣れていない方でも自然と世界観に引き込まれると評判です。また、シリアスシーンやバトルシーンのコマ割りや効果線等の使い方が上手く、迫力・スピード感共にクオリティーが高く本編同様の熱い展開が魅力の作品でもあります。

本編に繋がるアイテムやポイントが度々登場するといった本編を読んでいる方には嬉しいサービスが用意されています。それ以外にも、第1話から細かな箇所に「伏線」が散りばめられているので、1回目はストーリーを追いかけて2回目以降は新しい伏線を探したり、気付けなかった伏線を確認したりと違った楽しみ方が出来ます。